こころの湯 (1999/中)

こころの湯 (1999/中)_c0148548_025178.jpg★ネタバレなし
タイトル : こころの湯
原題 : 洗澡 Shower
監督 : チャン・ヤン
脚本 : リュウ・フェントウチャン・ヤン
出演 : チュウ・シュイプー・ツンシン ジャン・ウー
上映時間 : 92mins.


新鋭チャン・ヤンが中国・北京を舞台に親子愛を描いたストーリー。1999年トロント国際映画祭国際批評家連盟賞受賞を受賞した作品デス。キャッチコピー「こころの芯まであったまる」。まさにそんな気持ちにさせられマス。

北京の下町で父が経営する 「清水池」 を継がず故郷を離れた長男ターミン。遠く離れた深センで家族をもちクールなビジネスマンとして毎日を過ごしています。ある日、知的障害の次男アミンから、父がベッドで横たわる絵が描かれたハガキを受け取ります。父に何かあったのではないかと慌てて帰郷するターミン。しかし、そこには昔と変わらず、「清水池」 の常連客に囲まれながら平穏な日々を過ごす父がいます。アミンがターミンに会いたいがために、ワザとそんな手紙をよこしたことが判明します。ひとまず安心したターミンは、すぐに帰りのチケットを手配しようとします。

こころの湯 (1999/中)_c0148548_0264735.jpgところが、アミンが迷子になったり、父が風邪をひいたりで、ターミンは数日の間 「清水池」 を手伝いながら、懐かしい人々とふれあい、家族の愛情や懐かしさを思い出します。自分の夢を追いかけ続けて、ふと立ち止まる瞬間に訪れる郷愁、そんな感じでしょうか。

そうそう、「清水池」 は ダンシ専用の銭湯です。軽快なリズムに合わせたマッサージでリラックスしたり、コオロギ相撲を楽しんだり、湯につかりながら悩みを打ち明けたり、心の弱さを洗いながしたり、まさに 「こころの湯」 なのです。父の 「湯」 にまつわるエピソードもじんときます。

そんな中、周辺の再開発によりショッピングセンターの建設計画が進み、「清水池」 の取り壊しの話が浮上するのです。北京の下町にも近代化の波は押し寄せてきます。それは中国の急速な発展を象徴しているんですね。故郷は冷たいビルになり、人々のこころの中にしかなくなってしまうのでしょうか。ターミンの中にも、故郷に置き忘れていたあたたかいものに気がつきます。故郷より大切なものがあると思っていたターミン。でも、ほんとは大切なものに順番なんてないんですよね。

こころの芯まであたたまりたいときは 「清水池」へ。
軽快なリズムとともに癒されます。でもダンシ専用だからご注意!
by usazan | 2008-07-14 09:47 | 映画

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